シューマン

①交響曲第1番 変ロ長調 作品38 《春》

②交響曲第4番 ニ短調 作品120



指揮:レナード・バーンスタイン

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

1984年〜1985年録音



明るく幸福な気分を湛えた第1番、対照的に幻想的な憂愁に満たされた第4番、共にシューマンの創作力が最も充実していた時期の重要な作品です。バーンスタインはウィーン・フィルの精妙な響きとアンサンブルを生かし、楽曲特有の世界をしなやかに表現しています。録音から30年超を経過していますが、近年ますます評価の高まっている名盤です。わかりやすくまとめるのではなく、錯綜した部分はありのままに、かつ熱気と詩情を伴って表現しています。ライヴならではの高揚感が素晴らしい名演です。2017年の名曲名盤500では、第1番が第1位、第4番が第2位に選定されています。



ウィーン・フィルとバーンスタインはいくつもの名演を残してきましたが、シューマンの「第4番」はその中でも最高のものです。最初のその一音から、最後の最後まで悩ましく、力にも溢れ、シューマンの自らに鼓舞し滾る情熱に邁進する……それでも目指す何かには追いつけず、自分からこぼれ落ちてゆくものを必死に繋ぎ留めようとしているような音楽が、コレほどまでに切実に、また柔軟な浪漫で描かれ切った演奏は他には無い！まさに、この頃、精神的にも疲れ切っていたであろうシューマンの想い、悲しみ、その全ての感情において、バーンスタイン＝ウィーンフィルは寸分の狂いも無くロベルト・シューマンに同化しています。ここでバーンスタインがウィーン・フィル引き出しているサウンドはダイナミックな振幅を持ちながらも常に透明感を保っており、それぞれの音楽素材はどれも丁寧に歌い込まれて豊かな表情を見せます。しかしセンチメンタルな表現に陥ることは決してなく、まさにロマンティックの化身とも言えるシューマンの魅力を存分に味わせてくれます。シューマンの作品に馴染みがない方は、ぜひともこの演奏に接して管弦楽曲作家としての彼の魅力に触れてみてほしいと思います。



輸入盤【廃盤】【西独盤】　12

盤面微すれありますが再生問題無し



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