デュマ・フィス
『椿姫』
岩波文庫
訳者：吉村正一郎
定価：500円
ISBN：4-00-325401-5
発行：第81刷1998年（初版1934年、改版1971年）

小説です、戯曲や歌劇や映画ではありません。今ではイタリア語で上演されるヴェルディのオペラで有名ですが、フランス語の小説が元ネタになります。

オペラでは「ヴィオレッタ」の歌う「アルフレード、アルフレード」のメロディが切なくも美しいのですが、デュマの作品での名前は「マルグリット」と「アルマン」です。「マーガレット」と同様、真珠を意味するギリシャ語「マルガリテス」に由来します。文法上男性名詞なので、私には「丸刈りです」に聞こえます。ちなみに「ソクラテス」と同じ語尾変化をします。
#オペラ関連出品

327ページの解説によると、実在のモデルがいて、
「彼女の名はアルフォンジーヌ・プレシス、俗にマリー・デュプレシスと呼ばれ」
ていたのだそうです。これが元ネタの元ネタになるのでしょうか。

ずいぶん前に買った本で、ヤケやヨゴレがあります。物語の内容のように美しくありませんが、儚さなら充分です。