ラフマニノフ

①ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調op.1

②パガニーニの主題による狂詩曲op.43



ヴラディーミル・アシュケナージ（p）

指揮：ベルナルト・ハイティンク

ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団①

フィルハーモニア管弦楽団②

録音：1986年



ピアノ協奏曲第1番はアシュケナージが超絶技巧を繊細かつ詩的に表現し、オケはこれでもかっていうくらいロシア的情緒をたたえており、両者はすばらしく相乗効果を生み出しています。最初の主題をオケが演奏したところから一気に曲の世界観に入り込めます。第2番、第3番でラフマニノフの虜になられた方は、この演奏も当然気にいってくだされると思います。パガニーニの主題による狂想曲は同じ旋律のバージョンが次々出てくる変奏曲ですが、そのひとつひとつが面白く楽しめます。第18変奏曲は、この変奏曲のハイライトであり超有名なメロディー、たっぷりと甘く浸れます。



アシュケナージが40代後半の円熟期に録音した演奏です。柔軟に磨き抜かれたピアニズムは本当に見事で、洗練された多彩なタッチでラフマニノフの音楽を精妙にかつ力強く表現しています。ハイティンク&コンセルトヘボウのバックも万全です。これら2曲の決定盤といって良いでしよう。



アシュケナージは、元々チャイコフスキー・コンクールの優勝者で、技術に関しては既にお墨付きなのだが、一流の演奏家はそこから先が本当の表現域なのだと思う。テクニックを売りにすれば、同じフレーズの繰り返し部分は全く正確に弾こうとするが、それでは変化と面白味に欠けてしまう。彼にいつも感じられるものは、あくまでも音楽に対しての『献身』である。ここで特筆されるのは、ハイティンクのサポートの域を超えるオーケストレーションの秀逸さである。ロイヤル・コンセルトヘボウの燻し銀のような弦の音や、金管セクションの巧みさを十二分に生かしたシンフォニックなアプローチが素晴らしい。協奏曲としてので今日的な造形美も斬新で、新鮮な喜びをもたらしてくれる。「パガニーニ狂詩曲」もピアノの生き生きした表情が豊かな振幅をつくり、聴くものを引きつけます。



輸入盤【西独盤】9

盤面少しすれありますが再生問題無し



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