ニコくんとアナちゃんシリーズ②
ニコくんとアナちゃんはおんがくかになりたい

1990年6月20日発行
作者　ピオレタ・デノウ
翻訳　立花 香
発行所　新世研(新世界研究所)

「ニコくんとアナちゃんシリーズ」の出版にあたって
世界各国の絵本を見ますと、すぐ目につくのは、なんともいえないニュアンスで現われる国民性です。例えば、北欧の絵本では、雪国独特の、ほうっとした、霧に包まれた雰囲気がなんとなく感じられます。また、太陽が強く当たらないせいか、中央ヨーロッパ諸国では、神秘的な魅力があふれる暗い雰囲気が漂っています。
このたび出版された「ニコくんとアナちゃんシリーズ」も、この自然環境、あるいは国民性の影響を大きく受けています。先ず第一に、スペインの美術史にもよく見られるように、たいへんはでな色の使い方が目立ちます。その色の使い方が細かいところまでいって、例えば、人間の類とくに子供の頬を赤く染めることーイラストレーターによって、日本の田舎によく見られる、真っ赤なりんごのような、ふくらんだ子供の顔になるが一を見ると、そのいきいきした色の使い方が感じられます。
このシリーズでさらに感じられるのは、絵のかき方がたいへん細やかだ、ということです。とにかく、1ページ、1ページをめくっていきますと、たいへんものが多いですね。いいかげんにものが多い。ということではなく、それぞれの絵がたいへんよくまとまっていますが、全体を読んでしまうと、どうもスペイン人はにぎやかな絵を好むな、という印象が残るのです。
このシリーズの作者，ビオレタ・デノウとは、バルセロナ出身の
3人の女性がつくったグループのペンネームです。1948年生まれのA.E. ノゲラ、同じく1948年生まれのC.G.ベンドゥレリュ、そして
1947年生まれのA.V.ククルニイの3人は、1969年からグループをくんで、「ニコくんとアナちゃんシリーズ」の他に、「テオくんのぼうけんシリーズ」という作品を発表し、さらにグラフィック・デザイン、インテリア装飾などの分野でも活躍してきました。現在では、数多くの優秀なイラストレーターを生んだスペインの中で，もっとも人気のある作者として、広く認められています。

新品購入後の古書です。
ヴィンテージ絵本にご理解の上ご購入お願いいたします。

スペイン作家絵本
ヴィンテージ絵本
90年代レトロ絵本