KURTIS BLOWといえば何と言っても'THE BREAKS'が有名ですが、あの曲はKURTISのセカンドシングル。実はこの'CHRISTMAS RAPPIN'こそがKURTISのファースト・シングル、つまりデビュー曲なんですね。

KURTISはメジャーレーベルと契約を結んだ史上初のラッパーでした。そしてそのKURTISのデビュー曲ということで、この曲は以後のヒップホップ・ビジネスの趨勢を占うという意味においても歴史的にかなり重要な意味を持っていたわけですね。KURTISはこの'CHRISTMAS RAPPIN'と、続く'THE BREAKS'を立て続けにヒットさせたことでようやくアルバムのリリースまでこぎつけることに成功したそうです。

さて、それでは曲の中身に入っていきましょう。

曲名の'CHRISTMAS RAPPIN'は「クリスマスのラップ」と「クリスマス（ギフト）のラッピング（包装）」とをかけていて、内容的には

「So every year, just about this time , I celebrate it with a rhyme
（俺は毎年クリスマスをラップでお祝いするぜ！）」

といった風に、イキな言い回しでクリスマス気分を盛り上げるパーティーソングといった感じでしょうか。

この曲は後にR&BグループのNEXTが1998年にリリースした'TOO CLOSE'という曲でもサンプリングされましたが、その'TOO CLOSE'もこの'CHRISTMAS RAPPIN'も、どちらもハッピーな気分になれる曲です。

ちなみにこの曲は'RAPPIN' BLOW'とも呼ばれており、アルバムにはこの続編である'RAPPIN' BLOW (PART 2)'も収録されています。


1979年に、シュガー・ヒル・ギャングが「ラッパーズ・ディライト」をリリースすることにより、ヒップホップ界で初めて成功を収めた。

次は、ブロンクスでヒップホップを発展させてきたアフリカ・バンバータやグランド・マスター・フラッシュの番だと想像をしてしまう。

しかし、彼らの曲はリリースされたもののコアであり、一般の人々には、まだまだ早すぎたようだ。

そこで、1979年11月、クイーンズのラッパー、カーティス・ブロウが成功を収めるのである。