著者プロフィール

小説家、随筆家。別号は百鬼園。

夏目漱石の門下生の一人で、夢の光景のように不可解な恐怖を幻想的に描いた小説や、独自の論理で諧謔に富んだ随筆を多数執筆し、名文家として知られる。号の「百閒」は、故郷岡山にある旭川の緊急放水路の百間川から取ったもので、当初は「百間」と表記していたが、後に「百閒」に改めた。代表作に『冥途』『旅順入城式』『百鬼園随筆』『阿房列車』など。

明治４３年、第六高等学校卒業。上京し、東京帝国大学文科大学入学。1911年（明治44年）、療養中の夏目漱石を見舞い、門弟となる。小宮豊隆、鈴木三重吉、森田草平、野上豊一郎らと知り合う。

昭和２０年、東京大空襲により東京都麹町区土手三番町の自宅焼失。隣接する松木男爵邸内の掘立小屋に移住。後年、このころの日記を『東京焼盡』として発表。昭和２５年、随筆「特別阿房列車」を執筆、以後『阿房列車』としてシリーズ化、1955年まで続き、戦後の代表作となる。昭和３２年、愛猫「ノラ」が失踪。『ノラや』をはじめとする随筆を執筆。

昭和３４年、小説新潮に「百鬼園随筆」と題した連載を開始。死の前年まで続く。

昭和４２年、芸術院会員に推薦されるが固辞。辞退の弁は「イヤダカラ、イヤダ」。『ウィキペディア（Wikipedia）』



本作品は西日本新聞社に７５回に亘り連載されたものを単行本として刊行したものです。

三笠書房・昭和３１年７月初版発行の内田百閒「鬼苑漫筆」です。装幀は洋画家で文化勲章受章者の林武です。経年のヤケが少しありますが、シミや書き込み、蔵書印などはありません。

５０年前の古書であることをご理解の上、購入の検討をお願いいたします。