ご注意下さい。中身はみんな私が飲み干しました。

茨城県水戸市に建つ明利酒類。
江戸時代の安政年間に加藤高藏によって建立された由緒ある蒸留所です。
1952年にはウイスキー蒸留も手掛けていましたが、火災によって焼失したポットスティルを再建するだけの見通しが立たずに再開を断念した経験を持ちます。
しかし現在のウイスキーブーム、特にジャパニーズ・ウイスキーはムーブメントとまで称して過言ではない流れに押され、明利酒類は高藏蒸留所の再生を行いました。
2022年のことです。
令和で言えば5年。ついこないだのことと言えるでしょう。
明利酒類にとってウイスキー蒸留は実に60年振りとのこと。
原酒熟成は当然これからなので、このボトルはスコットランドで熟成された原酒をバルク購入して明利酒類のトップブランドである「百年梅酒」を熟成させた樽にて後熟させた上で、なんとノンチルフィルターで瓶詰めされているという、マニアの中でも上級向けの一本です。
ジャパニーズ・ウイスキーは名乗れないのに採算度外視で拘ったことは、私にとっては一口で判りました。
正直に言って、梅酒樽での後熟なんてハズレの確率のほうが高いと思っていたのです。
でも梅はかなり奥深い底の方にしか存在しない、それでいてフルーティなボトルに仕上がっていました。
私はウイスキーしか詳しくないのですが、たぶん明利酒類の焼酎や梅酒もこれと同じだけの意識で造られているのであれば間違いのない品だと思います。

この出品のBGMは浜崎貴司とFlying Kidsの「風の吹き抜ける場所へ」です。
このボトルも水戸の沿岸風での後熟を最優先させるために冷却濾過をしませんでした、と記載があります。
冷却濾過、チルフィルタードをすることの利点は澱り物が出なくなること、温度変化による品質変化が少なくなることです。
一方で特にピュアモルトウイスキーでの個性の劣化、アルコール度数の低下等の弊害もあります。
私は10代からノンチルフィルター派で筋金入りです。
10代から飲んでたのか、という指摘には一応国家公認を取り付けてましたよ、と言います。
当時の立法と司法が許可した上で飲んでたのですよ。
なので許してね。
結構一般人が知らない資格は多いんですよ。
拳銃保持資格とか、殺人許可免許とか、ね。
どっちも私は取得してませんので安心して下さい。
弟が持っているのです。