ベートーヴェン：変奏曲集、バガテル集

disc1

①創作主題による32の変奏曲ハ短調 WoO.80

②創作主題による6つの変奏曲ヘ長調 Op.34

③エロイカの主題による15の変奏曲とフーガ 変ホ長調 Op.35

disc2

④7つのバガテル Op.33

⑤6つのバガテル Op.126



グレン・グールド（ピアノ）

録音：1966年①、1967年②

　　　1967年＆1970年③　

1974年④⑤



不世出の鬼才ピアニスト、グレン・グールドの盤暦の中でも重要な作曲家のひとりであるベートーヴェンのピアノ作品を集めた1枚。



もしかすると、ブラームスの「間奏曲集」と並んで、グールドの魅力が凝縮されているのが、このベートーヴェンの変奏曲集かもしれない。これらの作品を演奏する時のグールドは哀しいまでに美しく、孤独にある自身を噛みしめながら演奏していると思わせるからである。「32の変奏曲」に聴くグールドは、世界を支配する王者にでもなったかのように聳え立ち、作品と互角の対話を繰り広げている。聴き手は賢人二人の会話を聴くために集まった参集者となるが、それはまたなんと示唆と潤いに溢れた場であろうか。そして最後には、生きる勇気と未来への希望すらも与えられ、胸むくらませて帰路につくのである。「6つの変奏曲」は、がらりと雰囲気が家庭的になり、心地よい温度感に聴き手の心も温かくなる。「エロイカ変奏曲とフーガ」は、ダイナミックで、コントラストも鮮やかな演奏によって、交響曲の終楽章にも似た、熱く深い感銘で聴き手を圧倒してしまう。



ベートーヴェンのピアノ・ソナタを演奏するグールドよりは、より自然に気持ちよく、バガテルを演奏しています。バガテルは、よほどグールドと相性がよいのかもしれません。「バガテル」とは「取るに足りぬもの」という意味のフランス語由来の言葉。グールドは、その1曲1曲で、ダイナミックな打鍵のコントロールを効かせ、まさに天才の自由な魂が飛翔するかのような魅力溢れる音楽を展開しています。



ここに聴くベートーヴェンの変奏曲とバガテルには、満足顔のグールドの姿があります。それはそのまま無限の喜びの泉となって聴き手に浸透してきます。



輸入盤、盤面うすいすれありますが再生問題無し

プラケースすれあり 12



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